ばね指(弾発指)
初回投稿日:2017.11.22/2021.8.24
腱鞘炎の一つで、掌の指の付け根に起こります。
手をよく使う環境で起こり、治りにくいのが特徴です。
好発環境
- 弦を強く長時間抑える弦楽器
- 緻密な運指を必要とする鍵盤楽器
- 金槌など工具を強く握る職人や整備士
- 手を多く使う家事作業
- 草むしりや農具を扱う庭・畑仕事
繊細な技術を必要とする職人さんや、繊細な表現を行う楽器演奏では、指の動きに問題を起こすため注意が必要です。
【症状】
指がスムーズに伸びない
指を曲げた状態から伸ばそうとしたときに引っかかり、さらに伸ばそうとすると、バネのようにバチンと伸びるような動きになる。

朝起きると指が伸びない
起きてすぐは指が伸びきらず、酷くなると伸ばすのに痛みを伴うようになります。
さらに悪化すると伸びたまま、または曲がったまま動かせなくなります。
指の付け根を押さえると痛みやコブがある
指の付け根に炎症が起きる為、抑えると痛みがあります。
放置していると手術が必要になることもあります。
【原因】
手の腱は腱鞘というトンネルを通っているため、常にこすられるストレスがかかります。
使い過ぎることで炎症が起こり、腱にコブができ、指の曲げ伸ばしの際にそのコブが引っかかることで起こります。
くり返しひっかかること自体が刺激となりコブが大きく、癒着も強くなっていきます。

【治療法】
炎症が強い場合RICE処置の安静・アイシングも行いますが、医療機関ではそれ以上に、早期治癒に向けた専門的な治療があります。
湿布や痛み止めでは気休めにしかならず、軽度のものでも固定などの処置が必要です。
微弱電流療法
微弱電流を使い 患部の炎症を抑え機能を高めるための通電を行います。
また自己治癒力を高める効果もあり早期治癒を目指します。
その後筋肉の柔軟性を取り戻すための筋肉通電を行い再発防止を目指します。
こちらもご覧ください。「微弱電流療法」
固定
中度以上のものはしっかりと固定し患部を安静にすることが一番早期回復につながります。
程度により、伸縮性のないテープや包帯、ひどい場合はさらに手首の型をとった固定板を当てて固定します。
こちらもご覧ください。「テーピング・包帯法」
テーピング
軽度の場合にも行います。
筋肉の動きをサポートするために行ったり、関節を固定し患部の安静を行います。
てつ接骨院では固定して、無理やり競技や仕事をを行うことはお勧めしません。
腱鞘炎は組織同士の摩擦を減らすことが有効であり、キネシオテーピング療法が効果的です。
さらに筋肉の動きをサポートを行い、負荷を減らして早期回復を目指します。
またキネシオテーピングには腫れを早期に軽減するのに高い効果があります。
こちらもご覧ください。「テーピング・包帯法」
リハビリ
腱鞘炎はリハビリがとても大切です。
腱の摩擦を減らすためにも、筋肉の柔軟性を取り戻すためのストレッチは必要不可欠です。
症状が改善した後も、原因となる競技や作業を続けるために再発予防として自分でやれるようになることが大切です。
こちらもご覧ください。「リハビリテーション」
【自己ケア】
RICE処置
RICE処置の安静・冷却はこちらで確認!!
Rest(安静)
Ice(冷却)
ストレッチ
掌の筋肉は肘から指までついているので前腕のストレッチを行います。
前腕のストレッチ 掌側 甲側
親指の人はこちらも 親指の掌側のストレッチ
あくまで「自分でできること」であって、最低限のケアになります。
放置していると病院での手術が必要となることもあるので、自己判断をせずに医療機関に診断を仰ぎましょう。