五十肩

更新履歴:21.8.16/22.12.22

五十肩とは通称であり、50代の方に多く見られるためこう呼ばれます。
一昔前は40代が多かったため四十肩と呼ばれていました。

「我慢してれば自然に治る」という都市伝説も耳にしますが、「関節が固まりきった」「痛い動作をしなくなった」事で痛みが無くなっただけだと考えられます。
希望的観測で判断するのはやめましょう。

人によって原因や症状は違い一括りに説明するのは難しいのですが、代表的なものを上げていきます。

肩関節周囲炎

肩関節の周りに何らかの原因で炎症を起こしている状態を言います。
肩関節捻挫や腱板損傷もいってみれば肩関節周囲炎です。

肩関節拘縮(凍結肩)

肩関節を構成している筋肉や靭帯の柔軟性が低下してしまい可動域制限が起きている状態を言います。
骨折や捻挫後に起こることが多いですが、何もしなくても徐々に起こることがあります。

好発環境

  • 40代以降
  • 日常的に肩を上げる動作の少ない人
  • すでに腕が上げにくくなっている人(周囲炎の原因に)

症状

ひどくなるにつれて症状がひどく、増えていきます。

  • 激痛で腕が動かせなくなる
  • 手を上げた時の違和感
  • 物を持った時や手を上げると痛い
  • 真上まで上がらなくなる
  • 手を後ろに回す事が出来なくなり、エプロンや髪を結ぶ事が出来ない
  • 夜中に痛みが出て目が覚める、寝返りが痛い

突然に激痛が起こり動かせなくなるのが肩関節周囲炎。

動かすことはできるけど、一定の角度から上げられなくなり、無理に上げると痛いというのが肩関節拘縮の特徴です。

原因

肩関節周囲炎

関節に突如炎症が起こることで発症します。
転倒で手をついた時など、わかりやすい原因で起こることもあれば、不意な動作で痛みが走り起こることも多くあります。
これは後述の肩関節拘縮により、もともとの可動域に制限があったために、不意な動作でも限界を超えてストレスが加わり、炎症や損傷が起こったと考えられます。

肩関節拘縮(凍結肩)

わかりやすいものは前述の肩関節周囲炎や、肩関節の捻挫などのケガが原因で起こるもの。
安静期間中に肩関節が徐々に硬くなり上がらなくなっていきます。
しかし五十肩で多いのは、普段から上げる習慣がないことで、知らないうちに少しづつ硬くなり、上がらなくなっているものです。
気づいた時には上がらなくなっていたという人は少なくありません。

大胸筋 三角筋
三角筋後部 棘下筋

治療法

動かすのが痛いと安静第一!!と考えがちですが、五十肩は普段から動かさないことが原因となることが多いため、安静にしてしまうと悪化します。

肩関節周囲炎の様に安静が必要なものもありますが、それでも出来る限り早くリハビリを開始します。

肩関節は人体の中でも可動域が広く、各方向へ動くために筋肉が前後・上下に細かくついています。
可動域を制限している筋肉のストレッチや、関節全体を動かす可動域訓練が効果的です。

肩関節周囲炎はケガと同様の治療が必要です。
その後のリハビリ開始の判断や肩関節拘縮の治療も専門的なケガ治療の知識と技術が必要なことが多いため、ケガの治療ができる接骨院などに早めに相談することも大切です。

詳しくは「五十肩 治療編」をご覧ください。

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