「動かす」と「使う」は違う

更新履歴:21.6.15

どこかを痛めた時は安静にすることから始まり、徐々にリハビリが始まります。
患部を動かし始めると、日常生活や仕事、スポーツの活動を再開し始めるわけですが、この段階で通っている病院や接骨院で「リハビリは自分でやってね」と言われてしまったり、ジャンジャン使っていいと勘違いしてしまう人がいます。
その時に必ずと言っていいほどする話があります。

治ったわけじゃないですよ??

いくら運動復帰を始めたとしても完治したわけではありません。
リハビリが終わるまでが治療です。

安静にしている間に落ちた筋力、柔軟性をそのままに、痛める前と同じ負荷をかけられるわけがないのです。
その為にリハビリで徐々に患部を「動かし」負荷を上げながら、痛める前と同じように「使える」のを目指しているのです。

「動かす」と「使う」には明確に違いがあります。

「動かす」とは

今現在の現状を把握した上で患部を「動かす」ことを目的に許容範囲を超えないように制御しながら行う動作です。

  • 単純な関節運動やストレッチ
  • スポーツでの基本動作
  • ウォーキング

あくまで「動かす」ことが目的。

どの程度なら大丈夫なのか、限界を見極めながら「動かす」ことを意識して行います。

こうして徐々にできる範囲を増やしながら全開を目指していきます。

正拳突き
考えて動く

「使う」とは

患部の現状とは関係なく、何か別の目的を果たすために行動し、その目的達成のために体を「使って」いる動作のことです。

  • 労作業
  • スポーツでのゲーム練習
  • 散歩・旅行

これらは患部のことなどそっちのけで、許容範囲への意識は低く、気がついた時には患部に無理な負荷をかけていることになります。
この場合ただただ患部にストレスを与えているだけです。

パンチ
何も考えず使う

ウォーキングと散歩

「ウォーキング」は動かすことを目的としてフォーム、歩幅、スピード、距離、時間などを制限しながら患部の状態を「意識しながら行う」。
「散歩」は景色を見ることや、目的地に到着する事が目的となり、患部はそれに「無理矢理付き合わされている」状態です。

スポーツ

「ランニング動作、投球動作」はどの程度できるかを慎重に確認しながら行い、限界が来たらすぐにやめられることが重要です。
「ゲーム練習や部活」に最後まで参加することが目的になってしまうと患部はただ無理をさせられるだけになります。

動かすのはリハビリ、使うのは労働

あくまで、リハビリの一環として「動かして」いることを忘れてはいけません。
それを続けていれば、おのずと患部は改善し、なにも気にせず「使う」事ができるようになります。

もちろん思う存分「使った」後は、その体を労わる意味でのケアをしてあげましょう。
それが再発予防になります。