鵞足炎
初回投稿日:2021.11.01
膝の内側のやや下、「鵞足」は縫工筋、薄筋、半腱様筋の付着部に痛みが起こり、その3本の腱がガチョウの足に見えることからそう呼ばれます。
多くの場合捻挫や変形性膝関節症と同様に内側に痛みが出るため、それらと間違われ放置されやすいスポーツ障害です。
症状
- 膝の内側から前にかけて痛い
- 指で押した時の強い痛み
- ふっくらと腫れや熱感
- 膝を曲げると痛い
- 走行時やジャンプの時の痛み
- 階段の昇り降りが痛い
痛みの出方に注意
症状の度合いによって痛みの出方に違いがあります。
またそれによって運動量を抑えるのか、休止する必要性があるかの判断が変わります。
この判断を間違えると競技休止の可能性もあります。
詳しくは「スポーツ障害の重症度と競技休止の目安」をご覧ください。
原因
痛みの原因
前述した3つの筋肉はそれぞれ、ももの前面、内側、後面についており、股関節や膝の曲げ伸ばし、ねじり動作で働きます。
その3本がまとまって付いている鵞足部は運動時にストレスが集中しやすい場所です。
運動時はこのどれかの筋肉が、一つは働いているため、柔軟性が低下しやすく、3本の筋肉のうちのどれか、または3本すべてによって骨への付着部にストレスがかかることで起こります。
ストレスの原因
- 筋肉の柔軟性の低下
- 足のアーチの低下
- 過度な運動量、練習頻度
- 筋力不足
- 運動後のケア不足
- 悪いフォームでの運動
鵞足は上記のどれか一つでもあれば発症します。
フォームの問題は偏平足やニーイン動作が典型的な原因となります。
詳しくは「スポーツ障害の原因」をご覧ください。
治療法
スポーツ障害治療の基本、安静はもちろんですが、ただ休むのではなく運動量を減らすという「安静」もあります。
さらに微弱電流療法やテーピングなど損傷部分の早期回復を狙い、運動の完全復帰を目指します。
また、損傷部のストレスの原因となる 縫工筋、薄筋、半腱様筋 の柔軟性を取り戻すことも重要で、損傷の程度を見極めてリハビリを早期に開始しましょう。
さらに鵞足炎は姿勢やフォームの問題が原因になることが多いため、動作指導・フォーム改善を図り、復帰後の患部への負担を減らすことが大切です。
また再発防止のための自己ケアを知り、よりスポーツ障害になりにくい身体、練習習慣を身に着けます。
鵞足炎の詳しい治療法は「鵞足炎 治療編」をご覧ください。