グローインペイン症候群
更新履歴:20.12.3/21.11.16/22.8.9
股関節の前の痛みは、サッカーでよくみられる他、様々な人に起こります。
股関節は骨盤と大腿骨が連結している関節で、体重を支えるという重要な機能があります。
関節の周りに多くの筋肉がついており、負荷がかかりやすい関節です。
そのため痛みが出やすく、一度症状が出ると治療に時間がかかります。
今回はスポーツや楽器演奏で特によく見られる筋肉による痛みについて説明していきます。
こちらもご参考ください。
股関節の前の痛み
好発環境
- 跳んだり走ったりをよくする幼児
- 陸上やバスケなど走ることの多いスポーツ
- サッカーやキック動作の多いスポーツ
- ドラムでのバスドラム動作
症状
- 上記の各動作での痛み
- 長時間歩行・ランニング
- 鼠径部を押した時の痛み
- 膝を抱え込んだ時の押しつぶされる痛み
股関節の前から内側に痛みを感じ、脚の方へ走るような痛みが出ることもあります。
サッカーではシュートでの後ろへの振り上げ動作で引き延ばされることや、振り抜いたときに挟み込まれることで痛みが走ります。
ひどくなると軽くインサイドでボールを蹴ることすらできなくなります。
痛みの出方に注意
症状の度合いによって痛みの出方に違いがあります。
またそれによって運動量を抑えるのか、休止する必要性があるかの判断が変わります。
この判断を間違えると競技休止の可能性もあります。
詳しくは「スポーツ障害の重症度と競技休止の目安」をご覧ください。
原因
痛みの原因
鼡径部には股関節を曲げるための筋肉、足を踏みしめるときの筋肉がいくつも付いています。
これらの筋肉の酷使や、走り方、座り姿勢・反り腰で常に縮められている状態が続くことで柔軟性が低下します。
さらに股関節は上半身と下半身の要となるため動作の安定・協調性が悪くなりさらにストレスを加えることになります。
ストレスの原因
- 筋肉の柔軟性の低下
- 足のアーチの低下
- 過度な運動量、練習頻度
- 筋力不足
- 運動後のケア不足
- 悪いフォームでの運動
特に股関節前にある筋肉の柔軟性の低下は顕著で、多くの場合正しいストレッチで改善がみられます。
足のアーチの低下や姿勢の悪さも原因となることが多く、フォーム指導を行うことが多くあります。
詳しくはスポーツ障害の原因をご覧ください。
治療法
股関節の前は、体重を支える、地面を踏みしめる、走る、蹴る、振る、などさまざまな動作で働くため、柔軟性の低下が起きやすくリハビリは必要不可欠です。
無理をしすぎれば炎症をおこし競技休止も余儀なくされますので、早い段階での「安静」も重要になります。
上記の様々な動作で働くことから、姿勢や、走り方、足の使い方、フォーム改善も大切で、さらに日常的な運動後のケアは必須です。
詳しくは「グローインペイン症候群 治療編」をご覧ください。