寝違え
寝違えは、朝起きたときに突然首が痛くなり、動かせなくなる症状です。
一度は経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
「寝方や枕が悪かった」と思われがちですが、実際には睡眠中の姿勢だけでなく、普段からの首や肩の筋肉の状態、生活習慣など、さまざまな要因が重なって起こります。

また、寝違えは急性のケガとして保険適用となる場合がありますが、慢性的な肩こりとは区別して考える必要があります。
一般的な首の捻挫については「むちうち損傷」
慢性的な首の痛みは「肩こり・緊張型頭痛」をご参考ください。
好発環境
- デスクワーク
- 長時間のスマートフォン使用
- 首や肩のこりが続いている方
- 運動不足で首や肩の筋肉が硬くなっている方
- 寝返りが少ない睡眠環境
- ソファや車内など、不自然な姿勢での睡眠
- 疲労が蓄積している方
症状
起床時に起き上がろうとした時にはすでに痛みがあり、動かしにくくなる症状です。
特定の方向へ向くと激痛が走るため、首を少し傾けたまま動かせなくなることもあります。
- 起床時から首が痛い
- 首を動かすと痛む
- 特定の方向へ向けない
- 首を傾けた姿勢になる
- 肩や背中まで痛みが広がることがある
- 重症では腕の痛みやしびれを伴うことがある
早ければその日のうちに痛みがなくなることもありますが、ひどいものでは一週間以上続くこともあります。
原因
寝違えは正式な病名ではなく、朝起きたときに首が痛くなり動かせなくなった状態を表す通称です。
そのため原因は一つではなく、複数の要因が重なって起こることが多くあります。
レントゲンやCT、MRIなどの画像検査で異常が見つからないことも少なくありません。
これまでの施術経験や身体の状態を踏まえ、以下の要因を重視しています。
睡眠環境
寝返りが打ちにくい環境や、不自然な姿勢で眠ることで、首へ長時間負担がかかります。
- 子どもやペットと一緒に寝ている
- 狭いベッドで寝ている
- ソファやイスで寝てしまう
このような環境では首や肩の筋肉が緊張しやすく、筋肉の柔軟性低下につながり痛める原因となります。
筋肉の柔軟性
普段から首や肩の筋肉が硬くなっていると、睡眠中の姿勢による負担を受けやすくなります。
長時間同じ姿勢でいることで筋肉の柔軟性が低下し、起床時に首を動かした瞬間に筋肉や関節を痛めてしまうことがあります。
これには普段からの肩こりや首の筋肉の硬さが隠れていることがほとんどで、これらを放置していると起こりやすくなります。
頻繁に寝違えを起こす人は、首の筋肉の状態を改善する必要があります。
肩こりが続いている方や、デスクワークが多い方は特に注意が必要です。
起床時の急な動作
睡眠中は身体をほとんど動かさないため、筋肉や関節は動き始めに負担を受けやすい状態です。
起き上がる際に急に首を動かすことで、筋肉や靱帯などを痛め、寝違えを起こすことがあります。
(神経の圧迫)
寝違えの原因として、「睡眠中に神経が圧迫されることで起こる」という説を見かけることがあります。
しかし、腋窩神経は肩関節に関係する神経であり、首とは直接関係のないもののため理論上疑問ではあります。
肩甲骨の動きには影響するので、結果的に肩甲骨から首へ付着する筋肉の動きに問題が生じ痛みを感じるのかもしれませんが。
どちらにせよ当院でもこれまでの症例から、この説に当てはまるケースは確認できませんでした。
そのため当院では、この説を前提とした説明や施術は行わず、睡眠環境や首・肩の筋肉の状態、生活習慣など、根拠のある要因を重視して評価・施術を行っています。
治療法
寝違えは、首や肩の筋肉や靱帯、関節周囲の組織に負担がかかり、痛みや動かしにくさが起こっている状態です。
そのため、痛みの強い時期に無理に動かしたり、強く揉んだりすることは症状を悪化させる可能性があります。
また、湿布や痛み止めは痛みを和らげるためのものであり、傷ついた組織の回復を進めたり、治すことを目的としたものではありません。
寝違えはケガと同様に、状態に合わせた判断が重要です。
炎症や痛みが強い場合は安静や冷却を行い、症状が落ち着いてきた段階では、首や肩の可動性や筋肉の状態を改善していくことが大切です。
当院では、症状の状態を確認したうえで、炎症や痛みの程度に合わせた施術を行います。
また、首の痛みは寝違え以外にも頚椎の問題など別の原因が隠れている場合があるため、症状の経過や状態を確認し、適切な対応を行います。
治療は「むちうち損傷」に準じて行います。
「むちうち損傷 治療編」をご覧ください。

慢性的な肩こりや疲労による首の不調を「寝違え」として扱い、整体を勧めたり、本来保険施術の対象ではない症状に対して保険施術を長期間続けたりする接骨院もあります。
そういった施術方針の接骨院が、急性の「寝違え」や「むちうち」に対して患者様の利益を優先し、状態に合わせた正しい治療や、早期の治療終了を目指しているのかには疑問が残ります。
接骨院を選ぶ際は、普段からケガを適切に評価・治療し、保険を正しく取り扱っている院を選ぶことが大切です。
更新履歴:20.11/23.6


