肩こり腰痛は借金と思え

まずは「肩こり腰痛は他力本願では治りません」で肩こり腰痛の心構えや、「治る」のではなく「治す」のだとお伝えしました。
つまり、ご自身の身体や生活習慣が痛みの原因を作っていることを自覚し、自ら改善に取り組む心構えが不可欠です。

ではなぜ肩こり腰痛が出るのかというお話。
今回はそんな肩こり腰痛の正体についてお話してきます。

症状は身体からの限界のサイン

肩こりは、事務作業や読書などのデスクワーク中に、腰痛は草むしりのようなかがみ作業や長時間の座り姿勢によってよく起こります。。

ですが、少し冷静に考えてみてください。
長時間うつむいたり、しゃがんだ姿勢で作業を続けたりすれば、身体に負担がかかるのは当然のことです。
重い荷物を持ち続けたり、旅行などで長時間歩いたりすると、腕や脚にも痛みが出ることがありますよね?

つまり、それは「使った結果として疲れた」というだけのこと。
痛みそのものが問題なのではなく、身体が“限界に達した”ことを知らせてくれているサインなのです。
「これ以上は危険です」と、身体が警告を発してくれている状態といえます。

肩こりや腰痛は、損傷や異常ではなく“疲労”の表れであることが多いのです。

しかし、症状が出ることばかりを気にしてしまい、どんな状態が「普通」なのかを見失ってしまっている方も少なくありません。
実際、身体の専門家である私自身も、肩こりや腰痛はしばしば経験します。

「筋力=所持金」「負荷=借金」で捉える

身体をお金に例えると、筋肉や関節への負荷(借金)に対して、筋力・柔軟性・姿勢(所持金)で対応している構図になります。

  • 所持金:筋力、柔軟性
  • 借金:疲労、姿勢不良、反復作業による消耗

身体の「所持金」が尽きるまで耐えられる負荷量には個人差があり、20分で出る人もいれば3時間できる人もいます。 
その範囲内で生活できれば痛みは出ませんが、所持金がなくなったところからはただの「借金」。
無理をすれば「借金」を背負い、返済を怠ると借金は増え続け、やがて「首が回らなくなる」ほど苦しい状態に至ります。

借金が所持金を上回ったとき、身体は「痛み」というアラートを発して破綻を防ごうとします。
つまり、痛みは“壊れた”のではなく、“限界を知らせる警告”なのです。

痛み改善の3ステップ

  • 借金を抑える(負担軽減
    姿勢改善、作業時間の管理、適度な休憩
  • 借金を返す(疲労回復)
    ストレッチ、体操、休養の質向上
  • 所持金を増やす(身体能力向上)筋力トレーニング、柔軟性強化

 まずは借金を抑える(負担の軽減)

まずは借り入れる金額(身体的負担)を最小限に抑えることが基本です。
日常生活や作業の中で無意識に増えている「無駄な借金」を見直すことから始めましょう。

所持金の無駄遣いで早く限界が来てしまっているかもしれません。
まずは借り入れる金額を最小限にして、後から返済できる金額にしておきましょう。

姿勢改善:デスク環境の見直し(猫背・前傾姿勢)

猫背やうつむき姿勢が続くと、首や背中に偏った負荷がかかり、所持金の浪費につながります。
モニターの高さ、椅子の高さ、肘・腰の支えなどを調整し、負担の少ない環境を作りましょう。

長時間姿勢の分散:連続◯時間 or 合計◯時間

同じ姿勢を長く続けると、筋肉は血行不良や緊張状態に陥り相乗的に借金額が上がります。
1時間に1回は立ち上がって伸びをする、または午前午後に分けて活動を配分するなど、時間管理による分散が有効です。
連続◯時間と合計◯時間とでは借金額は変わります。

作業習慣の見直し(スケジュール、休憩)

連続作業や一日の中での負荷の偏りも、慢性的な借金の原因になります。
「どの時間帯にどんな負担が集中しているか」「休憩が機能しているか」
これらを振り返り、スケジュールと休息のバランスよく取れているかを見直しましょう。
さらに休憩時に次回解説する「返済」が少しでもできると、借入額を更に減らすことにつながります。

次は返済編

日々の活動によって蓄積された疲労(=借金)は、放置すれば増え続け、やがて限界を超えてしまいます。
だからこそ、途中で少しずつ返済しておくことが重要です。

かかる負担(借金)とそれに対するケア(返済)のバランスがとても大切。
もちろん体の限界値(所持金)を上げることが理想ですがそれはまた次回のお話。
返済の仕方と一緒にお話しします。

治療編はこちら。
肩こり腰痛は借金返済だ

更新履歴:17.8.23/20.5.8