ジャンパー膝
ジャンパー膝とは読んで字のごとくジャンプを多くすることで起きるスポーツ障害です。
バレーボール・バスケットボール・ハードル走など、ジャンプ動作や着地を繰り返す競技で特に多く発症します。
ジャンプは「地面を蹴る瞬間」だけでなく、「着地時」にも大きな衝撃が加わります。
このとき太ももの筋肉(大腿四頭筋)が膝の曲がりをコントロールしようと強く働くため、膝蓋腱に牽引ストレスが蓄積し、炎症が生じます。
まずは自分の症状をチェック
成長期から青年期にかけて多く発症する「膝の前面に痛みが出る」スポーツ障害にはいくつか種類があります。
下の表を参考に「年齢・特徴」「痛みの部位」から、おおよその目安を確認しましょう。
ご自身に近い症状のページを読むと、理解しやすくなります。

| 症状名 | 好発環境・特徴 | 痛みの部位 |
|---|---|---|
| オスグッド・シュラッタ―病 | 小・中学生の男子 | スネの骨の出っ張り |
| シンディング・ラーセン・ヨハンソン病 | 小・中学生の男女 | お皿の下部 |
| ジャンパー膝 | 高校生~成人 | お皿とスネをつなぐ腱 |
【症状】
- 膝のお皿の真上、または真下の痛み
- ジャンプ動作・しゃがみ姿勢・走行時の痛み
- 進行すると膝の曲げ伸ばしでも痛みが出る
最悪の場合膝蓋腱の完全断裂が起こり、手術が必要になります。

痛みの出方に注意
症状の程度によって痛みの出方に違いがあります。
またそれによって運動量を抑えるのか、休止する必要性があるかの判断が変わります。
適切な判断を誤ると、競技の長期休止につながる恐れもあります。
詳しくは「スポーツ障害の重症度と競技休止の目安」をご覧ください。
【原因】
痛みの原因
膝蓋骨の上にある大腿四頭筋が、膝蓋腱を介してスネの骨に付着しています。
ジャンプ・着地のたびにこの腱が強く引っ張られ、繰り返しのストレスで膝蓋腱に微細な損傷・炎症が発生します。
ここからオスグッドやシンディング・ラーセン・ヨハンソン病を発症することもあります。

ストレスの原因
- 筋肉の柔軟性の低下
- 足のアーチの低下
- 過度な運動量、練習頻度
- 筋力不足
- 運動後のケア不足
- 悪いフォームでの運動
特に大腿四頭筋・ハムストリングスの柔軟性低下と猫背は共通して多く見られます。
また、基本的なジャンプ動作が出来ていない事も多くみられます。
詳しくはスポーツ障害の原因をご覧ください。
【治療法】
ジャンパー膝の治療も、まずは安静をとり運動による膝蓋腱への負担を減らすことが基本です。
炎症を抑えるために微弱電流などの物理療法を行い、テーピングを使って膝の動きをサポートする場合もあります。
そのうえで、大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性を改善し、膝蓋腱へのストレスを軽減するストレッチやリハビリを行います。
フォーム不良や下肢アライメントの乱れがある場合には、インソールを用いた補正も有効です。
詳しくは「膝の前のスポーツ障害 治療編」をご参照ください。
更新履歴:16.4.28/20.9.10


