スポーツ障害の原因
スポーツ障害には共通する原因があります。
多くの場合、これらが単独ではなく複数同時に重なって発生し、「痛みが出る」「なかなか治らない」という状態を作ります。

まずは知っておきたいスポーツ障害の真実。
スポーツ障害は成長痛ではありません。
成長痛とは「成長期の子どもに多くみられる痛み」であって「成長そのものが原因で起きている痛み」ではありません。
これを「成長のせい」と判断してしまうと、「成長が終わるまで様子を見るしかない」とされ、ただ無駄に通院させられ、本来対応すべき原因が放置されてしまう可能性があります。
こちらもご覧ください。
「スポーツ障害と成長痛」
スポーツ障害が起こる仕組み
成長期の体は、大人と比べて骨や軟骨がまだ未完成
そのため、筋肉に引っ張られる骨の付着部や軟骨部分のほうが負担を受けやすく、繰り返しの負荷によって炎症や損傷が起こりやすい特徴があります。
特に
・膝(オスグッド)
・かかと(シーバー病)
などはこの影響を強く受けます。
回復する力を上回る負担がかかったときに起こる
- 練習量が多すぎる
- 休養が足りない
- ケアが不十分
こうした状態が続くと、回復が追いつかないままダメージが蓄積し、痛みとして現れます。
痛みは原因そのものではなく「結果」
そのため、痛みの出ている場所だけを処置しても、本当の原因(柔軟性・フォーム・運動量など)を見直さなければ再発を繰り返します。
スポーツ障害の原因は、大きく3つに分けられます。
- 体の状態の問題(身体要因)
- 練習環境や量の問題(環境要因)
- 動き方や使い方の問題(技術要因)
これらが単独ではなく、複数重なることで痛みが発生します。
身体要因
身体要因とは、体そのものの機能の問題です。
こうした状態では、負担を分散できず、特定の部位にストレスが集中しやすくなります。
筋肉の柔軟性の低下
筋肉の柔軟性が低下すると、関節の動きが硬くなり、運動の際のしなやかな動きができなくなります。
その結果、本来分散されるはずの負担が一点に集中し、
- 骨への付着部にストレス増加
- 筋肉同士の摩擦増加
が起こり、炎症につながります。
過度な運動量、ケア不足から起こりやすく、さらには後述の様々な原因の引き金となり悪循環が起こります。
こちらもご参考ください。「筋肉の柔軟性低下の原因」

筋力不足
基礎練習や、フットワーク、体幹強化をおろそかにし、基礎的な筋力(体幹・下肢・支持筋)が不足していると、負荷をかけられるだけの関節の安定や基礎体力が足りず、局所に負担が集中します。
また運動量についていけない、アーチ低下、フォームの悪化にもつながります。
こちらもチェック。
「今の子供と、大人との違い」

足のアーチの低下
足の正常なアーチ機能(土踏まずなど)が低下すると、偏平足や外反母趾、かかとの傾き(過回内・過回外)などを引き起こします。
足のアーチは衝撃吸収と体重分散の役割を持っています。
そのためこの機能が低下すると、着地の際の衝撃が吸収できず、地面からの衝撃がそのまま上に伝わります。
足だけでなく膝・股関節・腰へと負担が連鎖し、猫背や反り腰、O脚、X脚など様々なフォームの崩れにつながります。

環境要因
環境要因とは、体にかかる負担の大きさや管理の問題です。
こうした状態が続くと、回復が追いつかず、ダメージが蓄積していきます。
過度な運動量、練習頻度
単純に体が追い付かないほど酷使することで起こります。
中学校に入学したての新入部員は部活動での走り込みが急に多くなる時期に発症しやすくなります。
チームや指導者、環境によって左右されますが、無理を続けない判断を本人・保護者・指導者が共有し、強い意志を持って調節することが必要です。
これらはフォームの崩れ、柔軟性の低下にもつながります。
こちらもチェック。
「スポーツ障害になる前に大切なこと」
「子供たちの練習のしすぎに注意」

運動後のケア不足
運動後にストレッチやアイシングをする習慣がないことは多くのスポーツ障害の原因となります。
またそれを行うべき場所を的確に判断できないことも問題です。
自分の体とコミュニケーションの取れるスキルを身につけ、どこに疲労や張りが出ているのかを把握し、適切な部位にケアを行う習慣をつけることが重要です。
ケアが不足すると柔軟性の低下やアーチの低下につながり、過度な運動量に対するケアとしても必要です
こちらもチェック。
「自分の体と相談する能力」

技術要因
技術要因とは、体の使い方や動作の質の問題です。
これにより、本来分散される負担が一部に集中し続ける状態になります。
基礎動作ができない
競技の練習は行っていても、基本的な体の使い方を十分に習得していないケースは少なくありません。
競技特性の練習はさせられるが、基本的な動作の指導を受けたことがない子がほとんどです。
走る・跳ぶ・止まる・バランスをとるといった基礎動作が未熟なまま、高負荷の練習をさせられています。
その上にケア指導もない、休息も足りないといった身体・環境要因が重なることで、負担が蓄積しやすくなり、痛みにつながります。
悪いフォームでの運動
フォームの乱れは、本来全身で分散される負担を特定の部位に集中させ続ける状態を作ります。
ランニング、切り返し、投球、着地動作などの反復動作では、慢性的な炎症の原因になります。
またフォームの崩れは、身体要因とも強く関係しています。
日常生活での姿勢の悪さ
フォームの乱れの原因として日常生活の姿勢の悪さがとても影響します。
普段から崩れた姿勢で過ごしていると、その動きのクセが無意識に定着します。
そのため、運動時に意識しても正しいフォームを維持できず、結果として負担の偏りが改善されません。
こちらもチェック。
「今の子たちの問題点」

これらはどれか一つだけで発生するものではなく、複数が重なって問題になります。
そのため、どれか一つを改善させればいいというわけでもなく、全体を意識して、総合点を上げるように心がけることが重要です。
時間はかかりますが、コツコツ積み重ね、故障の少ない環境を作りましょう!
更新履歴:19.09.27/22.1.22/23.7.7


