スポーツ障害の重症度と競技休止の目安

スポーツ障害では本来「安静」が基本ですが、実際には競技や演奏をすぐに休むことは難しいケースが多くあります。
そのため「どこまでなら継続できるのか」「どの時点で休止すべきか」を判断することはとても重要です。 

症状が軽度の場合は、条件を満たせば練習を継続しながら治療を行うことも可能です。

これは「練習を推奨する」という意味ではありません。
休める環境であれば、安静が最優先です。
あくまで「継続せざるを得ない場合の判断基準」として捉えてください。

継続可能な軽度の症状

軽度とは、日常生活に支障がなく、運動中または運動後に一時的な痛みが出る程度の状態を指します。

スポーツ障害の多くは「様々な原因」により、そのスポーツを行うのに必要なパフォーマンスを発揮できないほどに筋肉、関節の機能が低下していることで発症します。

アキレス腱炎

以下の場合は、練習前のウォーミングアップ、練習後のケア、運動量の調整をしっかりと行うことを前提に、競技をしながら治療を行います。
一歩間違えれば症状の悪化を招き競技不能に陥ることもあります。
練習を続ける場合は症状の変化に細心の注意を払ってください。

もちろん、ケガの治療をきちんと行っている接骨院などに相談することをお勧めします。

練習開始直後痛みがあるがその後消失する

開始直後に痛みが出ても、ウォーミングアップにより一時的に症状が軽減するケースがあります。
いつも以上にウォーミングアップを行うことで、痛みの出ない状態にできる場合もあります。

これは平常時でも大切ですが、パフォーマンスが落ちている分、ウォーミングアップにより一時的にパフォーマンスを正常な状態に引き上げる事が出来れば防ぐことも可能です。

ただしこれは安全に運動できる状態になったわけではありません。
「治っている状態」ではなく、機能が一時的に補われているだけです。

痛みも再出しやすいので痛みを感じたら以下の項に移ってください。

練習の途中から痛みが出てくる

最初に痛みなく練習を始められたとしても、練習中に痛みが出た時点で、それが現在の身体の許容量(負荷の限界)です。

無理に練習を続けても、ただ痛めつけているだけで損傷の進行リスクが高まり、回復を遅らせるだけです。
そこで練習を切り上げるか、練習メニューを見直しましょう。

練習中の特定の動作でのみ痛みが起こる

特定の動作で痛みがある場合は、その動作だけを休止して下さい。

  • ジャンプ動作のみ痛い → ジャンプ系メニューを中止
  • スロー動作のみ痛い → 投球動作を制限

「できる範囲でやる」ではなく、痛みの出ない範囲を明確に線引きすることが重要です。

負荷の段階分けについては「スポーツ復帰のしかた」をご覧ください。

痛みのない内容で練習を終えられた方は次の項をチェック。

練習が終わってから痛みが再出するが次第に引いていく

練習後に痛みが出る場合、その日の負荷が限界を超えているサインです。
競技中止に移行する可能性が高い状態です。
明確に練習量を減らす必要があります。
特に翌日に痛みが残る場合は、負荷過多と判断してください。

そして無理な練習によって患部に炎症が起こっている可能性があります。
アイシングを行い炎症を抑え、症状の悪化を防ぐ必要があります。
アイシングの詳細はこちら

その後痛みが落ち着いてきたら練習により疲労した筋肉をケアし、柔軟性が低下しないように、また向上するためにストレッチを行いましょう。
これにより患部に加わるストレスを軽減できます。
過度な負荷により筋肉の柔軟性が急激に低下し、さらに症状が出やすい状態になります。
ストレッチについては「ストレッチとは」をお読みください。

これらで対処できなくなったり、翌日に痛みを引きずるようになったら競技継続の引き際です。
次の項目にお進みください。

競技中止が必要な状態

以下の状態に移行した場合は、競技継続の限界を超えています。
この時点で競技は一時中止と判断してください。

  • 痛みが徐々に強くなっている
  • 同じ運動量でも痛みが出やすくなっている
  • 日常生活動作でも痛い
  • 動いている間ずっと痛い
  • 何もしていなくても痛い
  • 痛みが出始めて一週間以上たっている

このまま気合と根性だけで無理に練習を続けるのが二流の体育会系。
痛みを無視して練習を続ける行為は、回復を遅らせるだけでなく、競技寿命を縮めるリスクがあります。
続けたとしても練習の質は下がり、患部は悪化し、大した活躍もできなくなります。
残るのは練習できなくなった体です。

競技中止についてはこちらの記事もご参考ください。
スポーツ障害での安静
スポーツ障害になる前に大切なこと

精神論ではなく論理的に考える

今の時代とっくに「スポーツは科学」です。
そのためスポーツ障害の対処法も科学的、つまり西洋医的に確実で最速の合理的な方法がわかっています。

しかしスポーツ障害の種類や各々の環境で、運動休止が必要ない場合もありますが、上記はあくまで自己判断の為のわかりやすい目安です。
整形外科または、接骨院でしっかりと判断してもらう事をお勧めします。

接骨院は本来、ケガに対して原因評価・機能改善・再発予防までを行う西洋医学的な対応が求められる施設です。
接骨院を選ぶ場合は、東洋医学的な揉みほぐし整体のみで終わる対応ではなく、スポーツ障害に対しても原因評価・機能改善・再発予防まで一貫して対応しているかを基準にしてください。

更新履歴:16.4/20.10/23.5/23.7