野球肘
初回投稿日:2016.5.20
野球の投球動作では肘に多くの負荷がかかり痛みが出ることは広く知られています。
しかし一括りに野球肘といっても場所によって特徴があります。
またどれも無理をすれば競技休止、手術適応となります。
無理をせず、チームにも、自分の競技人生にも影響が出ないようにしっかりと考えましょう。
もちろん自己判断ではなく、早めに接骨院・整形外科などの医療機関を受診することを強くお勧めします。
一般的な肘の痛みはこちらをご参考ください。
肘の内側の痛み
肘の外側の痛み(テニス肘)
【症状】
投球時に痛みが出ることはもちろん、ひどいものだと曲げたり伸ばしたりするだけでも痛みを出します。
手を握りこみ手首を動かす動作や、押さえた時の痛みが強く、競技後にしばらく疼くようないたみが続き、悪化すると力を入れるだけで激痛が走る様になります。
また症状の度合いによって痛みの出方に違いがあります。
またそれによって運動量を抑えるのか、休止する必要性があるかの判断が変わります。
この判断を間違えると競技休止の可能性もあります。
詳しくは「スポーツ障害の重症度と競技休止の目安」をご覧ください。
【原因】
痛みの原因
内側
内側の骨の出っ張りには、手首を下げる、指を曲げる筋肉がたくさん付いています。
指や手を酷使する事で、骨から引き離されるストレスが加わり炎症や柔軟性の低下が起こり痛みを出します。
野球では投球時のアクセレーション期(加速期)に手が肘より後ろに振られる反動で、内側のじん帯・筋肉に引き伸ばされるストレスがかかることで起きます。
また意外とボールが手から離れるときに指で押し出す動作でも負担がかかります。
外側
投球の際の内側のゆるみによって外側に押しつぶされるストレスが加わることで骨同士がぶつかり損傷します。
重度になると「離断性骨軟骨炎」を引き起こし、さらに進行すると軟骨が欠け、関節の邪魔をする「関節ねずみ」となりオペが適応となります。
早期の競技休止が必要です。
後側
後の骨には投球時に肘を思い切り伸ばすときの筋肉(上腕三頭筋)がついており、そこに繰り返しひっぱられるストレスが加わることで炎症を起こしたり、骨の一部がはがれることで起こります。
また勢いよく伸ばしきるため肘の骨同士の衝突が起こり痛みが出ます。
ストレスの原因
- 筋肉の柔軟性の低下
- 足のアーチの低下
- 過度な運動量、練習頻度
- 筋力不足
- 運動後のケア不足
- 悪いフォームでの運動
多くの場合、運動量が多すぎることが原因です。
その上、ケアもせず柔軟性がなくなっている子が多くみられます。
普段からの姿勢の悪さがフォームの乱れにつながっている子も多いです。
詳しくはスポーツ障害の原因をご覧ください。
【治療法】
安静
炎症を抑える、損傷部分を修復させるために、スポーツ障害の基本です。
完全休止が必要な場合もありますが、練習メニューを調節して運動量を減らすことが大切です。
詳しくは次項「自己ケア」をご覧ください。
ストレッチ
運動後のケアはもちろん大切ですが、硬くなって機能の落ちてしまった筋肉の柔軟性を上げるためにも行います。
詳しくは「リハビリ」をご覧ください。
野球肘に有効なストレッチは次項「自己ケア」をご覧ください。
テーピング
筋肉の動きをサポートするためや、関節を固定し強制的に安静にするものがあります。
てつ接骨院では固定して、無理やり競技を行うことはお勧めしません。
痛みの除去・軽減をし目的としたピックアップテープ、筋肉の動きをサポートするキネシオテーピング療法を行い、負荷を減らして調整していきます。
固定・テーピングについては「テーピング・包帯法」をご覧ください。
微弱電流療法
微弱電流を使い 患部の炎症を抑え機能を高めるための通電を行います。
また自己治癒力を高める効果もあり早期治癒を目指します。
こちらもご覧ください。「微弱電流療法」
姿勢指導
日頃の姿勢が悪く、特に猫背の人は、投球で肩や肘への負担が増えるため姿勢指導を行います。
身体の負担の少ない姿勢を覚え、普段から癖づけることで負担を減らします。
詳しくは「正しい姿勢とは」をご覧ください。
自分でのトレーニングは下記「自己ケア」をご覧ください。
ツール療法
てつ接骨院では姿勢トレーニングに効果的なツールも各種取り揃えております。
人により最適なツールは異なりますが、野球肘の場合、肩・肩甲骨にアプローチする「POSTURE2.0」がおすすめです。
詳しくは「ツールメニュー」よりご参考ください。
【自己ケア】
あくまで「自分でできること」であって、最低限のケアになります。
自己判断をせずに医療機関に診断を仰ぎましょう。
安静
スポーツ障害で大切なこと
スポーツ障害での安静
スポーツ障害での安静の目安
アイシング
ストレッチ
内側の痛み:前腕の手のひら側のストレッチ
後方の痛み:二の腕のストレッチ
姿勢のトレーニング
またこれら自己ケアは予防法にもなります。
参考にしてください。