ランナーズニー(腸脛靭帯炎)
初回投稿日:2016.7.3
名前の通り走る事が多いスポーツに多くみられます。
お尻の外側にある殿筋群や大腿筋膜張筋の緊張により、そこからつながるももの外側の「腸脛靭帯」に炎症が起きるものを言います。
走る時の足のつき方や、ケアのためのストレッチなどの正しいケアの情報があまり普及していないため起こりやすいのが特徴です。
【症状】
長時間のランニングで膝の外側に痛みが出ます。
初期ではランニング後に、悪化に伴いランニング中に出るようになり、更に悪化すると歩く時にも痛みが出るようになります。
痛みの出方に注意
症状の度合いによって痛みの出方に違いがあります。
またそれによって運動量を抑えるのか、休止する必要性があるかの判断が変わります。
この判断を間違えると競技休止の可能性もあります。
詳しくは「スポーツ障害の重症度と競技休止の目安」をご覧ください。
【原因】
痛みの原因
歩行、ランニングの際の外側へのブレを抑えるための筋肉がお尻の横からももの外側を通り膝についています。
外側へのブレが大きくなる事で、お尻からもも、膝の外側の筋肉の緊張が高まり、膝の骨や隣り合う筋肉との間でこすられるストレスで起こります。
ストレスの原因
- 筋肉の柔軟性の低下
- 足のアーチの低下
- 過度な運動量、練習頻度
- 筋力不足
- 運動後のケア不足
- 悪いフォームでの運動
特に、外側の筋肉の柔軟性の低下と無謀な練習量・頻度が原因となります。
外側のブレを引き起こしやすい原因として、道路の水はけの為の傾斜や、地面への足のつき方、前後の筋力不足が挙げられます。
詳しくはスポーツ障害の原因をご覧ください。
【治療法】
安静
炎症を抑える、損傷部分を修復させるために、スポーツ障害の基本です。
まずは炎症を落ち着かせなければ練習はおろか、ストレッチや筋力強化、フォーム改善ですら始めることができません。
完全休止が必要な場合もありますが、練習メニューを調節して運動量を減らすことが大切です。
詳しくは次項「自己ケア」をご覧ください。
ストレッチ
運動後のケアはもちろん大切ですが、硬くなって機能の落ちてしまった筋肉の柔軟性を上げるためにも行います。
詳しくは「リハビリ」をご覧ください。
痛みの原因となっている「外側」はもちろん、左右のブレを少なくするために「ももの前後」にある筋肉の柔軟性も大切です。
有効なストレッチは次項「自己ケア」をご覧ください。
筋力トレーニング
走る時の外側へのブレを制御するための外側の筋肉、前方への推進力を上げて安定させるための前後の筋肉の強化が有効です。
しかし、なまじ筋力をアップさせても柔軟性のない状態では無意味です。
筋トレはあくまで柔軟性を取り戻してから行う事が大切です。
テーピング
筋肉の動きをサポートするために行ったり、関節を固定してしまい強制的に安静にするものがあります。
てつ接骨院では固定して、無理やり競技を行うことはお勧めしません。
痛みの除去・軽減をし目的としたピックアップテープ、筋肉の動きをサポートするキネシオテーピング療法を行い、負荷を減らして調整していきます。
固定・テーピングについては「テーピング・包帯法」をご覧ください。
微弱電流療法
微弱電流を使い 患部の炎症を抑え機能を高めるための通電を行います。
また自己治癒力を高める効果もあり早期治癒を目指します。
こちらもご覧ください。「微弱電流療法」
姿勢・フォーム指導
猫背や反り腰は運動時の股関節に大きなストレスを与えます。
身体の負担の少ない姿勢を覚え、普段から癖づけることで負担を減らします。
詳しくは「正しい姿勢とは」をご覧ください。
また足の使い方を改善する歩行指導など必要に応じたフォーム指導を行います。
インソール療法
偏平足、走行時のフォームなどを補正し改善させます。
踏みしめる能力が強く安定すれば体のブレも少なくなります。
てつ接骨院では個人に合わせたオーダーメイドインソールや、その機能を取入れた既製インソールを取り扱っており、ご希望に合わせたインソールをご提供いたします。
インソールについては「ツールメニュー」よりご覧ください。
【自己ケア】
あくまで「自分でできること」であって、最低限のケアになります。
自己判断をせずに医療機関に診断を仰ぎましょう。
安静
スポーツ障害で大切なこと
スポーツ障害での安静
スポーツ障害での安静の目安
アイシング
RICE処置「I」
安静状態でも痛みを感じる場合のみ行ってください。
ストレッチ
お尻のストレッチ
ももの外側のストレッチ
ももの前のストレッチ
ももの後ろのストレッチ
またこれらは、予防法にもなります。
参考にしてください。